中欧石油大手のハンガリーMOLは4日、米同業シェブロンからアゼルバイジャン領カスピ海のアゼリ・チラグ・グナシュリ(ACG)鉱区と、バクー・トビリシ・ジェイハン(BTC)パイプラインの権益を買収すると発表した。取引金額は15億7,000万ドル。当局の承認を経て来年第2四半期中に手続きが完了する見通しだ。
MOLはシェブロンの保有するACG鉱区の権益9.57%と、BTCの8.9%を取得する。これにより、英BP(30.37%)、アゼルバイジャン石油公社ソカール(25%)に次いで3番目に大きい権益を握ることになる。また、MOLの2P埋蔵量(確認埋蔵量と推定埋蔵量の合計)は来年末までに3億6,000万~3億8,000万石油換算バレル(boe)に拡大する見通しだ。
ACG鉱区は世界最大級のオフショア油田で、昨年の産油量は日量平均58万4,000バレル。権益期限が2049年まで延長された2017年9月時点で発表された総可採埋蔵量は30億バレルに上った。
BTCパイプラインは、ACG鉱区で生産された原油の主要輸送手段だ。バクーからジョージアの首都トビリシを経由し、トルコ南部のジェイハンに送油している。