独コメルツ銀のポーランド子会社、エルステが買収検討

オーストリア金融大手のエルステ・グループが、独同業コメルツ銀行が売却を計画しているポーランド子会社mバンクの買収を検討している。エルステのベルンハルト・シュパルト取締役副会長が10月30日、アナリスト向けの電話会議で明らかにした。スイスフラン建て住宅融資ローン債権の除外が条件になるという。

コメルツ銀は9月末、事業再編費用の捻出を目的にmバンク株69%を手放すことを決定した。シュパルト取締役副会長は「ポーランドは重要な成長市場だ。(mバンクの売却は)すべての点で興味深い」と発言。買収の適切な機会を精査する考えを示した。

mバンクはポーランドの他の銀行と同様に、回収の見通しが立たないフラン建て債権を数十億ユーロ抱えている。同副会長は、売却に際してはフラン建て債権が除外される可能性が「かなり高い」との見方を示した。ポーランド金融監督庁(KNF)のヤチェク・ヤストジェブスキー局長は9月、mバンクのフラン建てポートフォリオはコメルツ銀に移管すべきとの考えを表明している。

mバンクについては、ポーランド国営のPKO銀やPZU銀、ペカオ銀のほか、西サンタンデール、蘭ING、ポルトガル商業銀行(BCP)、仏BNPパリバなど外国の大手銀も取得に関心を示している。

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