スロバキア政府、銀行税引き上げを閣議了承

スロバキア政府は6日、2020年末で廃止される銀行税を継続するとともに、税率を2倍に引き上げる法案を閣議承認した。財政健全化に向けた措置だが、中央銀行からは自国の金融安定性を脅かすとの批判の声が挙がっている。連立政権の3党が議会で過半数議席に満たないことから、議会での承認は難航が予想される。

スロバキアは2012年に銀行税を導入し、銀行の資産総額から預金保険で保護される顧客預金総額を差し引いた金額に税率0.2%で課税している。財政再建のための原資と将来金融危機で銀行救済が必要となった場合の準備金の確保するのが目的だ。来年の税率引き上げにより、政府は年間1億3,000万ユーロの増収を見込んでいる。

政府によると、銀行税は「外資系銀行を中心に暴利を得て、手数料を引き上げていることへの対策」でもある。オーストリア金融大手ライフアイゼンバンク・インターナショナル(RBI)のシュトローブル最高経営責任者(CEO)は、税率引き上げによるスロバキア経済全体への大きな打撃を懸念する。同行は今年の銀行税を約2,400万ユーロと試算。同エルステ・グループは2,700万ユーロ程度の負担があると推計している。

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