フィンランド、「レール・バルティカ」実行会社への出資見合わせ

バルト3国を経由してポーランドのワルシャワとフィンランドのヘルシンキを結ぶ鉄道敷設プロジェクト「レール・バルティカ(RB)」をめぐり、フィンランドが慎重な姿勢を見せている。現地の外交専門季刊誌『ウルコポリティッカ(Ulkopolitikka)』によると、同国政府は同プロジェクトの実行母体であるRBレールへの資本参加を当面見合わせる考えだ。

RBレールはリトアニア、ラトビア、エストニアの各国鉄による合弁会社。フィンランド政府は2月初め、プロジェクトに技術貢献できるとして資本参加を目的とした事業会社の設立を決めた。ただ、公共調達や資金運用の透明性確保を前提としている。『ウルコポリティッカ』は、先月末にRBレール社長が辞任表明したのは、バルト3国の協力欠如でプロジェクトが進捗しないことが背景にあると見ている。

「レール・バルティカ」はワルシャワからリトアニアのカウナス、ラトビアのリガ、エストニアのタリンを経由してヘルシンキに至る鉄道路線整備計画で、総延長は870キロメートル。総工費は50億ユーロ超を見込む。このうちエストニアは国内区間213キロメートルをほぼ新設する計画で、2026年の完工を目指している。先月29日には首都タリンで鉄道陸橋に着工した。

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