トルコ企業が新たな輸出市場として中南米に注目している。政情不安が続く中東に代わる輸出先を開拓する意向で、このほど、企業11社から成る訪問団が全10日間の日程でベネズエラとコロンビアを訪れた。
訪問に参加した地中海水産・動物性製品輸出業協会(ASHIB)のヤマニュマス代表によると、カラカスおよびボゴタで開かれた会合には現地食品輸入会社200社強から1,000人以上が参加し、関心の高さがうかがわれた。
トルコの水産品の輸出高は25億ドルで、イラクなど中東が主な仕向け先となっている。ただ、中東地域の政情不安が続いていることから、アフリカと中南米への輸出拡大を狙っている。ベネズエラとコロンビアはそれぞれ3,000万人、5,500万人の人口を擁する魅力的な市場だが、さらに他の中南米諸国へ販路を広げるための足掛かりとしても注目しているという。
ヤマニュマス代表によると、ベネズエラのマドゥロ大統領はあらゆる分野でトルコ企業と協力したい姿勢を明確にし、貿易関係に関する話し合いは1時間以上にわたった。石油、金、アルミニウム、銅などの資源産業をはじめ、食品、製鉄、繊維産業へトルコ企業が投資するよう求めたという。
ヤマニュマス代表によれば、トルコの対ベネズエラ輸出高は約1億2,000万ドルで、うち7,200万ドルを食品が占める。