スイスの建設資材大手シーカは25日、ルーマニアのモルタル・断熱材メーカー、アデプラストの買収で創業者一族と合意したと発表した。ルーマニア建設用化学品市場での地位を強化する狙い。契約金額は公表されていない。取引には競争当局の承認が必要となる。
シーカはアデプラストの取得で取扱品目を広げるとともに、ルーマニアでの販売網を強化する。関連製品を組み合わせて販売する「クロスセル」の機会が広がると期待している。
アデプラストはブカレストの北70キロほどに位置するプロイエシュティに本拠を置く。4工場でモルタル、外壁用断熱材を生産し、国内向けに出荷している。シーカによると従業員は460人で、今年の売上高は1億2,000万スイスフラン(1億2,000万ユーロ)に上る見通し。
シーカは建設・工業用途の接着剤、シール材、減衰材、補強材を手がける。世界101カ国で300を超える工場を操業し、2万4,000人強を雇用する。今年の売上高は80億スイスフランを上回る見込みだ。
ルーマニアでは昨年末、屋根材メーカー、アルコン・メムブラネの買収を発表。競争当局の承認を経てこの夏に手続きを完了した。