伊ウニクレディト、トルコ銀行大手からの撤退を検討

伊金融大手ウニクレディトが、トルコ3位銀行ヤピ・クレディ・バンクからの撤退を検討している。ムスティエCEO(最高経営責任者)が進める財務体質改善策の一環で、持ち株を合弁パートナーであるコチ・ホールディングに譲渡する方向で交渉しているもようだ。

コチ・ホールディングは25日、株主からの照会に対しプレス発表を行い、ウニクレディトとの合弁持ち株会社コチ・ファイナンシャル・サービス(KFS)及びヤピ・クレディの出資構成再編に関連し、ウニクレディトと交渉している事実を明らかにした。ただ、最終的にコチ・ホールディングとウニクレディトのいずれもヤピ・クレディの過半数株を握らない方向で調整を進めているという。

ヤピ・クレディの時価は37億ドル。米シティグループによると、2018年末時点のウニクレディト保有株の簿価は13億ユーロ(14億ドル)に上った。株式売却に成功すればウニクレディトは資産額を0.5~0.8%増やすことができる。1株当たり利益は10%縮小するが、資産増加や、配当金支出の減少などを加味すると全体的には利が勝るとシティグループは分析する。

KFSはウニクレディトとコチ・ホールディングが折半出資する合弁会社で、ヤピ・クレディの株式82%弱を保有する。

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