ロシア第2の都市サンクトペテルブルク市は18日、市内全域でのリサイクル事業の実施を2021年まで延期する方針を明らかにした。ロシア政府は2019年1月にゴミ処理のあり方を従来から大きく変更し、各自治体に新制度の下での運用を求めていたが、同市では開始がずれ込んでいた。新制度は市内でのゴミの埋設を禁止し、ゴミの選別とリサイクルを義務付けるもので、地方政府に対しゴミの収集、選別及び貯蔵を行うゴミ処理事業者を選択するよう求めている。
今回の延期の決定について同市の担当者は、リサイクルを既に開始した都市では高額なごみ収集料金に対し市民から大きな反発の声があがっていることなどを理由に挙げる。現在70以上の地域が新制度を実施に移しているが、モスクワ、サンクトペテルブルク及びセバストーポリでは2022年まで実施を延期することが認められている。
4月に発表されたあるレポートによると、改革を既に実施している地域ではごみ収集料金の半分は支払われておらず、ごみ処理業者の多くが倒産の瀬戸際にあると報告されている。専門家は現地紙『コンメルサント』に対し、ゴミの量とゴミ収集料金が正しく見積もられておらず、新制度をめぐって社会の中で摩擦が広がっていると話した。