米格付け大手S&P、ブルガリアを格上げ

米格付け大手のスタンダード・アンド・プアーズ・グローバル・レーティングス(S&P)は11月29日、ブルガリアの長期信用格付けを「BBBマイナス」から「BBB」へ一段階引き上げた。見通しは「強含み」。マクロ経済指標の好調さを評価した。

S&Pはブルガリア経済がバランスの取れた成長を続けていると評価。財政収支・経常収支とも良好で、欧州単一通貨ユーロの導入と、ユーロ圏の大手銀行の監督を欧州中央銀行(ECB)に一元化する欧州単一監督メカニズム(SSM)への参加の準備が着々と進んでいることを指摘した。

ブルガリアの経済成長率は2015年から4年連続で3%を上回っており、今年と来年も3%を超える見通し。S&Pでは個人消費の好調を受けて今年の成長予測を3.6%へ引き上げた。

ブルガリアは2015年以来、財政均衡を保ってきたが、今年は国内総生産(GDP)比2.1%の財政赤字を計上する予定だ。米国からの戦闘機購入(126億ドル)などの特別支出が背景にある。来年は再び均衡財政の達成を目指す。

ブルガリアは来年4月までにユーロ導入の前段階である欧州為替相場メカニズム(ERM

II)と、SSMへ同時参加することを目標としている。

「BBB」は投資適格級のうち下から2番目の格付け。ムーディーズ、フィッチ・レーティングスの両格付け大手もブルガリアを同じカテゴリーに格付けている。

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