ロシア中央銀行は13日の金融政策決定会合で、主要政策金利の7日物入札レポ金利を6.5%から0.25ポイント引き下げ、6.25%とすることを決めた。利下げは5会合連続。インフレ率の縮小が止まらず、経済成長の持続性も不確かなことから、追加利下げで景気のテコ入れを図る。16日付で新金利を適用する。
同国のインフレ率は11月に3.5%となり、前月(3.8%)に続いて中銀が目標とする4%を下回った。豊作や通貨ルーブル高により輸入品価格の上昇が抑えられているためで、今年3月(5.3%)からの下げ幅の合計は1.8ポイントに上る。一方、7~9月期の国内総生産(GDP)伸び率は政府支出の増加を背景に前期から0.8ポイント増の1.7%に拡大した。上げ幅の拡大は2四半期連続だが、中銀は「成長の安定性は確定していない」と慎重な見方を示している。
中銀は2019年の予想成長率について、従来の0.8%~1.3%増の上限あたりで落ち着くとみる。今後については、政府支出の拡大と構造改革が実現した場合、2022年までに成長率2~3%を達成できるとしている。今年末のインフレ率は2.9~3.2%とし、従来の3.2~3.7%から引き下げた。来年は3.5~4%まで上昇し、その後は4%近くで推移するとみる。
中銀は声明で、貿易紛争のエスカレートや地政学的な要因により「深刻な世界経済の減速リスク」が続いていると指摘。内外需の弱さから「短期的にはディスインフレのリスクがインフレ高進のリスクを上回る」としたうえで、状況が基本予測に沿って進む場合には2020年前半の利下げを検討する方針を示した。
中銀は今年6月、15カ月ぶりに利下げを実施し、政策金利を7.5%に引き下げた。過去4回の利下げ幅は計1.25ポイントに達する。