ロシアとパキスタン、経済協力拡大へ

ロシア政府は先ごろ、パキスタン政府との間でエネルギー分野などに関する大規模な投資を行うことで合意したことを明らかにした。ロシアのマントゥロフ産業商務相のパキスタン公式訪問においてなされたもので、パキスタン製鉄所(PSM)の設備改修や更新事業に対する10億ドルの資金協力などが含まれる。

両政府の会合では大幅に遅れているパキスタンの南北ガスパイプライン建設計画についても議論された。輸入天然ガスを運ぶパイプラインを南部のカラチと北東部のラホールの間に敷設するもので、ロシアは今年初めに同プロジェクト向けの25億ドルを含む140億ドルをパキスタンのエネルギー産業に投資することを約束していた。

協力事業にはその他、北東部パンジャブ州のマザファルガル火力発電所における石炭火力への転換事業や、南部のジャムショロに600メガワットの石炭火力発電所を建設する計画が含まれている。

また航空機分野では、パキスタン航空がロシアの航空機メーカー、スホーイの「スーパージェット100(SSJ-100)」を購入オプション付きのウェットリース(機材・乗員・保守・保険付きリース)及びドライリース(機材のみリース)で取得することも検討されている。マントゥロフ産業商務相によると、納入する機体の数は6機から16機で、国内外の路線で利用される見通し。

両国間の昨年の貿易額は、パキスタンの輸出が1億5,000万ドル、輸入が2億5,000万ドルだった。両国は今後、貿易総額を7億ドルまで増やすことを計画している。

パキスタンは最近になり、ロシアに対する旧ソ連時代の債務9,350万ドルの返済を履行している。

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