ポーランドで動物性脂肪を含まない植物性ミルクの市場が拡大している。国内での生産量はまだ少なく輸入品に頼っているのが現状だが、動物性よりも高価格ながら需要は増加中だ。同国の生産者は今後投資を増やしていく方針で、植物性ミルクの国内生産量は今後増加するものと予想されている。
市場調査会社のニールセンによると、ポーランドにおける2018年10月から19年9月の1年間の植物性ミルク製品の販売額は4,500万ユーロで前年から13%増えた。料理用のココナツミルクを除いた販売額は3,300万ユーロとなる。
乳製品の業界団体であるPIMによると、2018年の乳脂肪を原料とする製品の販売額は67億ユーロ。2019年上半期の動物性ミルク及び他の乳製品の販売額は41億ユーロで前年同期の38億ユーロから7.9%増加した。
植物性ミルクを購入するポーランドの消費者の多くは動物性ミルクも購入している。同国では人工着色料や保存料、大量の砂糖を使用した製品は避けられる傾向にあるほか、遺伝子組み換え飼料を与えられていない乳牛からの製品が好まれる。人気があるのはバターミルク、乳飲料のケフィア、天然ヨーグルトである。その他カッテージチーズやクワルクなどのフレッシュチーズがよく売れている。
2018年のポーランドの牛乳生産量は1,370万リットル。同国統計局によると動物性乳製品の1人当たり消費量は223キログラムで、17年に比べ2.3%増加した。19年の消費量は225キログラムまで増加する見通しだ。一方、飲用の牛乳の消費量は18年に2.9%減少した。
同国には163の乳製品メーカーがあり競争が激しい。一方、植物性飲料のメーカーの数は150社。そのうち国内メーカーは3社にすぎないが、昨年9月に代用コーヒーも扱うグラナ(Grana)社がインカ(Inka)ブランドでオーツ麦と大豆を使った3つの飲料の販売を開始した。他にもNaturAvenaとMleczni
Braciaなどの製品がある。
他のメーカーもヴィーガン(完全菜食主義者)向けの製品の販売に乗り出している。ヨグルティ・マグダはココナツミルクを加工したプラントオンという名前のヨーグルトやVegup
Bioのブランド名のクリームを生産している。