2020/1/22

総合 - 東欧経済ニュース

ロシア新首相にミシュスチン連邦税務長官、プーチン大統領は院政を企図か

この記事の要約

ロシアのプーチン大統領は16日、連邦税務庁(FNS)のミハイル・ミシュスチン長官(53)を新首相に任命した。

メドベージェフ首相はこの演説後、「憲法改正への道を開くため」辞職した。

また、付加価値税(VAT)監視システムを自動化し、飲食店や小売店へ対応レジスターの導入を義務付けた結果、税収が増加した。これらの功績で、国内総生産(GDP)に占める税収の割合が2015年以来、4ポイントも上昇したという。
有能な技術官僚である一方、プーチン大統領と同じくアイスホッケーを趣味とし、大統領の取り巻き「ホッケーリーグ」のメンバーと伝えられる。
今後は首相として、◇政府業務の効率化◇経済成長の障害排除◇国民の生活水準向上――などの使命を果たすことが期待される。総額3,600億ユーロ規模を投資する「国家プロジェクト」計画の推進も具体的な課題の一つとなる。

ロシアのプーチン大統領は16日、前日に内閣総辞職したメドベージェフ首相の後任として、連邦税務庁(FNS)のミハイル・ミシュスチン長官(53)を新首相に任命した。これに先立ちプーチン大統領は15日、年次教書演説で憲法改正を提案。大統領の権限を議会に移すことなどを柱とする内容で、「プーチン後」の新大統領の権力を弱めて自身の影響力を残す「院政」への布石とみる向きもある。

メドベージェフ首相はこの演説後、「憲法改正への道を開くため」辞職した。他の閣僚は新内閣発足まで現在の職にとどまる。

憲法改正はこれまでに分かっている限り、◇議会の権限強化◇大統領、地方知事、官庁高官が参加し、国家の基本方針を話し合う国家評議会の制度化――などを内容とするが、ロシア専門家は一様に、プーチン大統領が任期の切れる2024年以降の権力基盤を築く布石とみる。同大統領は演説の中で、大統領任期について「連続2期まで」と規定されている現行憲法から「連続」を削除し、「通算2期まで」とする考えを示しており、実現すれば現在4期目の同大統領は24年以降に再選される可能性は無くなる。この点について専門家は、プーチン大統領が自身の後継を着実に準備しつつ、必要な権力を握り続ける意図があると指摘する。

■新首相のミシュスチン氏とは

ミシュスチン新首相は税務・デジタル化の専門家として知られる。2010年にプーチン首相(当時)からFNS長官に抜擢され、徴税業務の効率化に携わった。オンラインで納税者一人一人のプロファイルを作り、自営業者向けにアプリを作成することで、検査を増やすことなく脱税減少に成功した。

また、付加価値税(VAT)監視システムを自動化し、飲食店や小売店へ対応レジスターの導入を義務付けた結果、税収が増加した。これらの功績で、国内総生産(GDP)に占める税収の割合が2015年以来、4ポイントも上昇したという。

有能な技術官僚である一方、プーチン大統領と同じくアイスホッケーを趣味とし、大統領の取り巻き「ホッケーリーグ」のメンバーと伝えられる。

今後は首相として、◇政府業務の効率化◇経済成長の障害排除◇国民の生活水準向上――などの使命を果たすことが期待される。総額3,600億ユーロ規模を投資する「国家プロジェクト」計画の推進も具体的な課題の一つとなる。