アルミニウム大手ルスアルを傘下に収めるロシアの持ち株会社En+は6日、国内大手銀行VTBから自社株21.4%を16億ドルで買い戻すと発表した。資本構成を整理し、今後の事業発展に集中する狙い。今回の自社株買いが、制裁回避をめぐる米国政府との取り決めに抵触することはないという。
米国は2018年4月の対ロ制裁強化に伴い、En+の経営権を握っていたオレグ・デリパスカ氏を制裁リストに加えた。このため、En+も制裁の対象となったが、デリパスカ氏が同社への出資比率を引き下げることを条件に、19年1月に対象から除外した経緯がある。
En+は今回の取引の資金調達に向けて、今月12日ごろに国内金融最大手ズベルバンクと1,106億ルーブル(18億ドル)の融資契約に調印する見通しだ。また、買い戻し株の扱いについては、消却する予定はなく、将来の戦略提携での活用、市場公開などを考えていると説明している。(1RUB=1.71JPY)