スロバキア政府は先ごろ、同国の電気自動車(EV)用電池メーカー、イノバットの工場建設計画に対し500万ユーロを助成する方針を明らかにした。同社は米国の電池素材メーカー、ワイルドキャット・ディスカバリー・テクノロジーズと共同でプロジェクトを実施する。まずは1億ユーロを投じて同国西部に試験生産用施設と研究開発センターを設置し、150人を雇用する。その後、年産能力を10ギガワット時(15万個)まで拡大するとともに、従業員数を1,500人まで増やす。最終的な投資額は10億ユーロに上る見通し。
イノバットの工場はスロバキア初のEVバッテリー工場となる見通し。中東欧における主なバッテリー生産ではポーランドに韓国のLG化学が、ハンガリーに同サムスンSDI
とSKイノベーションのほかGSユアサが進出している。
スロバキア現地紙『デンニクN』によると、欧州委員会は欧州連合(EU)域内におけるEVバッテリーや家庭用蓄電池の生産能力引き上げを求めており、大規模工場を20から30カ所設置する必要性を指摘している。
ワイルドキャットは膨大な化合物を高速評価できるハイスループット実験に人工知能(AI)を組み合わせた技術開発を進めており、トヨタ自動車や韓国のサムスン電子と協力している。