ロシア国営ハイテク技術大手のロスナノは11日、モスクワ近郊のトロイツクでフレキシブルエレクトロニクス(柔軟電子回路)の研究センターを開所した。家電から高性能の医療機器まで多岐に渡る電子機器のディスプレイやセンサーに使われるTFT(薄膜トランジスタ)素子など、主要コンポーネントの試作品開発や少規模生産を行う。
新センターは英フレキシネイブル社が開発した有機TFTを用いてプラスチック基板に電子回路を形成する技術をすでに導入している。今年はベルギーのナノエレクトロニクス開発会社IMECや、オランダのTFT技術研究開発機関ホルストセンターからも関連技術を取得する予定だ。センターでは無線タグや計測ガイドなどに使われる電子回路も開発、製造する。
新センターにおけるTFT素子の年産能力は400万平方メートルで、プライスタグやスマートカードでは150万枚、タブレットでは10万枚を生産できる計算だ。また、手のひらサイズのバイオメトリックセンサー用で10万枚分、無線タグ(RFID)用で1,000万枚分に相当する。