チェコ民間電力大手のEPHは3月25日、傘下の発電事業会社EPHパワーヨーロッパの投資子会社を通じ、英エネルギー大手ペトロナス・エナジー・トレーディングのガス貯蔵子会社ハンブリー・グローヴ・エナジーを買収したと発表した。EPHは現在チェコ、スロバキア、ドイツに地下貯蔵施設を保有しており、今回の買収で貯蔵能力を増強する。
ハンブリー・グローヴ・エナジーはイングランド南部のハンプシャーで天然ガス地下貯蔵施設を運営している。原油と天然ガスを合わせた貯蔵能力は、英国の総貯蔵能力の約6%に相当する28万立方メートルに上る。
EPHは発電から天然ガス輸送・貯蔵、電気・ガス販売まで広範な事業を展開する。チェコ国内では熱供給サービス最大手で、中東欧でも業界大手に躍進している。またロシアから欧州への天然ガス輸送に大きく関わっている。国外にはドイツ、イタリア、アイルランド、英国、フランス、スロバキア、ハンガリー、ポーランドに発電所、貯蔵施設などを保有する。