欧州の後発医薬品大手ゼンティバ・グループ(チェコ)は7日、米同業アルボジェンの中東欧事業の買収を完了したと発表した。これによりポーランド、ルーマニア、ブルガリアでの事業が強化されるほか、ロシア、ウクライナ、カザフスタン、ハンガリーや、クロアチアなど西バルカン諸国が新たな市場として加わることになる。
買収に伴いルーマニアのブカレストにあるラボルメド・アルボジェン工場の生産能力も拡張する。またアルボジェンの従業員1,000人をゼンティバに移籍させる。ハッガー最高経営責任者(CEO)は今回の買収により中東欧での後発医薬品(ジェネリック薬)製品の販売事業が強化されると話した。アルボジェンは中東欧で様々な治療分野のジェネリック薬および一般医薬品を200種以上販売しており、同地域の14カ国で大きな市場シェアを持つ。
ゼンティバは昨年、英国の医薬品メーカー、クレオ(Creo)とルーマニアのソラチウムを買収したほか、ブカレストとチェコのプラハの既存工場に数百万ユーロを投資するなど積極的に事業を拡大している。同社は2009年に仏サノフィの傘下に入ったが、18年にプライベートエクイティファンドのアドベント・インターナショナルにより買収された。
ゼンティバはルーマニアで、1962年設立の国営医薬品メーカー、シコメド(Sicomed)の株式75%を2005年に取得し、ゼンティバ・ルーマニアを設立した。3月31日には鎮痛剤アルゴカルミンの主成分であるソディウム・メタミゾレの生産を最大300%増やし、コロナウイルスの蔓延による需要増に対応することを明らかにしている。(1RON=24.35JPY)