スロバキアの医療機器メーカー、チラナ(Chirana)が新型コロナウイルスの流行に対応するため人工呼吸器を増産する。SITA通信がこのほど報じたもので、生産量を4倍に増やし、現地の医療機関に約300ケを供給する予定。同社は通常、製品の95%を輸出しているが、当面海外向けの供給は停止する。
同社の人工呼吸器の価格は1ケあたり2万5,000ユーロ。ウイルスの感染患者の受け入れ状況や機器の導入状況に応じて各医療機関に振り向ける。
現在、国内の医療機関では約500ケの人工呼吸器が利用されている。同国の医療政策研究所によると、今年7月の初めには人工呼吸器が1,000ケ以上必要になる見通しだ。クラジチ保健相によると、他の人工呼吸器メーカーも製品を供給する予定で、予備を含め7月初頭には十分な数が揃う予定。
チラナは歯科医療向けの医療機器・器具のほか、人工呼吸器や麻酔機器の開発・製造を行っている。近年は歯科医療以外の機器の売上が歯科用機器のそれを上回っている。