フィッチ、トルコ経済の成長を予測

新型コロナウイルスの感染拡大で世界的な景気後退懸念が強まる中、米信用格付け大手フィッチは、トルコ経済は今年落ち込むものの、来年は成長率が前年同月比で4.5%に拡大すると予測している。トルコ担当グループのウィンズロー部長が今月初め、現地アナドル通信社に語ったもので、来年は「安定した経済成長基調に戻る」との見方だ。

ウィンズロー氏によると、今年1-3月期は新型コロナの影響がほとんどなく、国内総生産(GDP)は約6%に拡大した。4-6月期に大きく落ち込んだ後、7-9月期に底を打ち、10-12月期には経済活動が平常化し回復に向かうと予測する。ただ、感染拡大を抑制できず部分的な都市封鎖が長引けば、経済成長は著しく落ち込むとみる。

フィッチは2月下旬のトルコ格付け見直しで長期信用格付けを「BB-」、見通しを「安定的」で据え置き、今年の経済成長率を3.9%と予測した。その後、世界的な景気後退となっても同国は0.8%の経済成長を確保するとの見方を示した。景気後退を回避できる要因として、民間融資の回復や低金利のおかげで年初に経済が勢いづいたこと、政府による1,000億トルコリラ(154億ドル)の対コロナ経済支援措置や国営銀行の融資下支え措置を挙げている。(1TRY=15.55JPY)

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