チェコ議会は23日、2020年の財政赤字を過去最高の3,000億コルナ(118億8,000万米ドル)へ引き上げる法案を可決した。新型コロナウイルス流行に関連する経済支援策の強化が狙い。財政赤字枠の拡大は、3月に年初時点の計画であった400億コルナを2,000億コルナへ広げたのに続くものだ。
今回可決された赤字枠は、2012年から19年の財政赤字の累計(2,928億コルナ)を上回る。シレルロヴァー副首相兼財相は今回の措置について、「政府収支予測が先月時点よりも悪化したため」と説明している。
政府によると、チェコ経済は今年、最低5%縮小する見通し。政府はここ数週間、借り入れによる資金調達を大幅に拡大させている。
また、議会は今月中旬、流動性確保に向けて、中央銀行が国債、社債、不動産担保証券などの購入を拡大することを承認した。
チェコ政府は、堅調な経済成長と記録的な低失業率に支えられ、16年以来、財政黒字を計上してきた。国家債務は対国内総生産(GDP)比で約30%と、欧州連合(EU)加盟国の中でも最低水準にある。(1CZK=4.26JPY)