ハンガリー政府はこのほど、ブダペストとセルビアの首都ベオグラードを結ぶ鉄道路線の近代化プロジェクトに対し、中国の政策金融機関、中国輸出入銀行が融資を行うことで合意したと発表した。金額など詳細は明らかにされていないが、財務省によると、同行は事業費の85%に相当する額を固定金利で融資する。
同プロジェクトではブダペスト・ソロクサール駅とセルビア側の国境の町ケレビヤの間の152キロメートルの区間を整備し、平均時速160キロメートルでの走行を実現する。一部区間では新たに線路を敷設するほか、踏切や橋梁の新設と改修、架線の更新、欧州共通の列車制御システム「ETCS」の設置が含まれる。プロジェクト全体の費用は6,000億フォリント(16億8,450万ユーロ)を上回る見込み。
プロジェクトの母体は中国中鉄グループの電気化局集団と鉄九局集団及びハンガリーのRMインターナショナルからなる企業連合CREで、中国側とハンガリー側の折半出資とする。RMインターナショナルはオルバン首相に近いレーリンツ・メーサーロシュ氏が保有する投資会社オプスグローバル傘下にある。
セルビア側のケレビヤからベオグラードまでの区間の建設は既に始まっており、2022年末には完成する予定。ハンガリー財務省によると全区間の工事完了は25年となる見通しだ。(1HUF=0.32JPY)