チェコ中央銀行は7日、主要政策金利である14日物レポ金利を0.75ポイント引き下げ、0.25%に設定した。利下げは3会合連続。新形コロナウイルスの蔓延による景気への打撃を和らげるため、アナリストらの予測(利下げ幅0.5ポイント)を超える大幅な追加利下げに踏み切った。ロンバート金利(上限金利)は1ポイント引き下げ1%に設定した。公定歩合(下限金利)は0.05%で据え置いた。
同国では3月、政府による外出制限などの措置を受けて経済がまひ状態に陥った。現在、制限は段階的に解除されており、4-6月期(第2四半期)中に大半の事業分野で活動が再開される見通しだ。中銀は今後の経済見通しについて、今年の国内総生産(GDP)は外需の低迷と内需の減退を受けて8%減に落ち込むが、来年は反動から4%のプラスに回復するとみている。
インフレ率は3月に3.4%となり、6カ月ぶりに低下したものの、依然として中銀目標の2%を上回っている。今後については、原油価格の下落や経済の収縮に伴いデフレ圧力が強まっていることから、今年末には目標値に近づくとの予想だ。
中銀は声明で「現時点では金融セクターに流動性を供給する必要は認められない」としつつ、予防的措置として、国債などで担保された短期の融資資金による「ノンバンク向けの流動性供給手段」を準備していることも明らかにした。
中銀は3月中旬、新型コロナの感染拡大を受けて2012年11月以来の利下げを実施し、政策金利を2.25%から1.75%に引き下げた。これまでの利下げ幅の合計は2ポイントに上る。中銀関係者からは、今後金利が2012年末から17年にかけて維持された0.05%にまで低下し、事実上のゼロ金利水準に達する可能性があるとの見方も出ている。