日産自動車はこのほど、電動ピックアップ「e-NV200」の大型バージョン「e-NV200XLヴォルティア」を欧州ラインナップに加えた。都市部での配達におけるゼロエミッション車の需要拡大が見込まれるためで、大型バージョンを開発したスロバキアの自動車エンジニアリング会社ヴォルティアと提携して販売攻勢を強める。
「e-NV200XL」は荷室容量を「e-NV200」の2倍の8立方メートルに拡大。観音開きのバックドアを採用し、車高も高いため、荷室で立って作業できる。
物流業界にとっては、最終拠点から消費者に届けるまでの「ラストワンマイル」を担当する小型商用車の運送能力アップが業務の効率化に直結する。電子商取引(EC)の普及で取扱量が増える一方、都市における環境基準強化も進んでおり、日産では大型ピックアップの需要は大きいとみているもようだ。
生産管理は欧州の3社に委託する。西欧市場向けは仏車体メーカーのグリュオ―、英国・アイルランド向けは英車体メーカーのべヴァン(Bevan)、中東欧向けは自動車業界向けに品質管理などのサービスを提供するスロバキアのホレンが担当する。合計年産能力は1万台。
ヴォルティアは2015年の創業で、ブラチスラバに本社を置く。電動商用車の改変設計を手がける。