チェコの富豪、米メイシーズに出資

チェコの富豪ダニエル・クレチンスキー氏はこのほど、米老舗百貨店メイシーズの株式5%を買収した。新型コロナウイルスの世界的流行で株価が下がっているのを機に取得へ動いた形で、市場動向やメイシーズの事業の状況を見極めたうえで、株式を手放すか、追加投資するかを決める方針だ。

クレチンスキー氏は傘下の投資会社ヴェサ・エクイティ・インベストメントを通じて株式を取得した。出資比率でみると、4番目に大きいメイシーズ株主となる。

メイシーズは1858年にニューヨークで1号店を開店。百貨店の「メイシーズ」、「ブルーミングデールズ」、化粧品の「ブルーマーキュリー」を合計で約900店舗展開する。年商規模は250億米ドル弱に上る。同社の株価は今年に入って70%も下落した。

『フォーブズ』誌によると、クレチンスキー氏の資産総額は34億ドルと推定される。中核事業は中欧最大のエネルギー持ち株会社であるEPHだが、最近では国内だけでなく、経営難に陥った国外企業に対する戦略投資を増やしている。今月に入って英郵便事業者ロイヤルメールの株式5.9%を買収したほか、昨年には仏小売企業カジノ・ギシャール・ペラションにも投資した。2018年には持ち株会社チェコ・メディア・インベストメントを通じて仏ラガルデールからメディア事業の一部を取得した。

クレチンスキー氏は仏『ルモンド』紙、独流通大手メトロにも出資している。また、サッカークラブのスパルタ・プラハのオーナーでもある。

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