鉄鋼世界大手アルセロールミタルのボスニア・ヘルツェゴビナ子会社アルセロールミタル・プリエドルが20日、ボスニア中部のゼニカ製鉄所とオマルスカ鉄鉱石鉱山の操業を停止した。世界的な新型コロナウイルスの感染拡大により、自動車メーカーなど主要顧客からの需要が大きく落ち込んだためで、向こう10日間操業を停止する。
ゼニカ製鉄所は操業を継続するため、コスト削減や従業員の保護装具の調達、ガス・電気料金の交渉など様々な対策をとり、従業員の一時帰休もグループ交代制で行っている。社内労組はこの措置に反対し19日にストを行った。同労組のカペタノヴィッチ委員長によると、従業員1,000人のうち800人が一時帰休中で、自主退職の勧誘には応じないよう呼び掛けている。オマルスカ鉱山でも一時解雇を行っている。
アルセロールミタルは2004年、ゼニカ製鉄所の買収で同国に進出した。同国の鉄鋼生産能力は約100万トンに上る。