ロシア石油最大手の国営ロスネフチが15日発表した2020年1~3月期の最終損益は1,560億ルーブル(20億米ドル)の赤字となり、前年10-12月期の1,580億ルーブルの黒字から大きく悪化した。ルーブル下落で外貨建て金融資産の為替損益が1,770億ルーブルに上ったことや、営業収入が前期比64.8%の大幅減益となったことが影響した。
売上高は1兆7,650億ルーブル(276億ドル)で、前期比で20.6%の大幅減収となった。新型コロナウイルスの感染拡大による世界的な需要の冷え込みに加え、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどの非加盟国で構成する「OPECプラス」の協調減産スキームが4月に失効するのを前に、市場の悲観的観測から原油価格が大幅に下落したこと、原油や石油製品の販売量の減少など複数の要因が重なった。前年同期比では15%の減収となった。
営業利益(EBITDAベース)は前期比36.7%減の3,090億ルーブル(49億ドル)に落ち込んだ。原油価格下落、関税計上時期のずれによる影響(980億ルーブル)、輸出価格の下落などで相場下落に対する緩衝効果が弱まった(530億ルーブル)ことが理由だ。石油販売価格は前年同期比で23.6%下落した。(1RUB=1.52JPY)