ポーランド石化大手オルレン、水素燃料の製造拠点を整備

ポーランド石油化学大手PKNオルレンは5月27日、国内南東部のヴウォツワヴェクに水素燃料プラントを建設すると発表した。来年末の完成に向け、今年8月末までに発注業者の入札を公示する。需要の増大が期待される水素燃料市場で主導権を握ることを目指し、西部プウォツクの石油精製所でも同様のプロジェクトを実施するほか、トシェビニャのバイオ燃料精製所にも水素純化プラントを建設して燃料電池用水素を生産する計画だ。

ヴウォツワヴェクの水素燃料プラントの生産能力は1時間当たり約170キログラムで、需要に応じて最大600キログラムまで増強できるモジュール設計とする。水素純化プラントに加え、鉄道やトラックによるタンク輸送のためのインフラと水素燃料供給システムの整備、充填ステーション2基の建設を行う。

製造した水素燃料は当面、路上・軌道での公共交通および貨物輸送分野を対象に供給する。オルレンは現在、水素燃料車(FCV)サービスでの協働について多数の都市交通会社と交渉中で、クラカウ、プウォツク、上シロンスク地方などですでに提携の基本合意を交わしている。長期的には乗用車、船舶、暖房設備などの設置型装置の需要も視野に入れている。

上部へスクロール