ポーランド大統領選、28日に実施へ

ポーランドのヴィテク下院議長は3日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて5月に中止された大統領選挙を6月28日に実施することを明らかにした。これに先立ち議会は投票所での投票に加え、郵送による投票を認める決定をしていた。有力候補で最大野党「市民プラットフォーム」(PO)のトルザスコウスキ・ワルシャワ市長は出馬に必要な10万人分の署名を集める意向を表明した。

最新の世論調査によると、現職で与党「法と正義」(PiS)のドゥダ大統領が優勢だが、同大統領の支持率は新型コロナの影響による景気悪化などを受け低下しており、決選投票を避けるのに必要とされる過半数の支持は得られない見通しとなっている。5月末に実施された調査では、同大統領はトルザスコウスキ市長や独立系候補でテレビ司会者のシモン・ホロブニア氏の後塵を拝している。

愛国主義的で強権的な政治手法をとる「法と正義」は当初、5月10日に郵便投票のみで選挙を実施する予定だった。しかし最高裁判所や諸外国政府が正確性に疑問を呈するなど批判が高まり、投票日の4日前に中止に追い込まれていた。

「法と正義」の議会における政権基盤は弱く、欧州連合(EU)などが批判する司法改革を進める上で大統領の支持が不可欠となっている。

同国では3月以来、新型コロナウイルス感染症(Covid-19)により1,100人が死亡した。政府はコロナ危機の影響緩和に向けた経済対策を迅速に発表したことからドゥダ大統領に対する支持は当初増加したものの、政府関係者が行動制限を遵守しなかったことなどに批判が集まり支持を減らしていた。

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