トルコ統計局(TUIK)が3日発表した5月の消費者物価指数(CPI)の上昇率は前年同月比で11.4%となり、前月(10.9%)から0.5ポイント拡大した。インフレ率の上昇は3カ月ぶり。「巣ごもり消費」に伴う食品価格の高騰と、原油高を背景とする燃料価格の上昇が大きい。
上げ幅を分野別にみると、構成比重の最も大きい「食品・非アルコール飲料」は前月から1.6ポイント増の12.9%へ拡大した。「運輸(自動車燃料含む)」は同1.2ポイント増の6.7%。上昇率が最も高かったのは「アルコール飲料・たばこ」(21.4%)で、「その他の商品・サービス」(20.9%)、「住居費・公益料金」(14.5%)、「医療」(13.1%)もインフレ率を上回った。
蘭ING銀行のエコノミストであるムハメット・メルカン氏は、今回のインフレ率の上昇を一時的なものとみている。トルコの国内需要は低迷しており、今後しばらくはディスインフレ傾向が続くとの予想だ。
同国中銀は5月、新型コロナウイルスの蔓延に伴って縮小した経済のテコ入れを図るため、9会合連続となる利下げを実施。政策金利を8.25%に設定した。