スロバキアの電気自動車用(EV)電池メーカー、イノバットが、チェコ電力大手CEZなどから総額1,000万ユーロの資金を調達した。年産能力1,500個(100メガワット時)の生産ラインと研究開発(R&D)センターを整備する目的だ。来年の生産開始を計画する。
イノバットは昨年7月、米電池素材メーカーのワイルドキャット・ディスカバリー・テクノロジーズと戦略提携した。ブラチスラバ近郊のヴォデラディにEV用電池の生産・R&D拠点を設ける。2024年からはプロジェクトの第2段階として生産能力15万個(100メガワット時)の工場を整備する計画だ。
R&Dセンターではワイルドキャットの技術をベースに、人工知能(AI)を駆使して、それぞれの顧客の要求する性能を満たす「特注」電池が作れる方法を開発する。
今回の資金調達で、イノバットの主要株主として新たにCEZが投資者に加わった。背景にはチェコ、スロバキア両政府のエレクトロモビリティ提携がある。ただ、イノバットにおけるCEZの出資比率は明らかにされていない。ほかの主要株主には、投資会社IPMグループやワイルドキャットなどがある。
イノバットはこれまでに、500万ユーロの政府助成を確保している。また、欧州投資銀行(EIB)も融資に向けた審査を実施中だ。