仏デルフィンゲン、独競合の欧州アフリカ事業買収で独占交渉

自動車用ケーブルの保護管などの製造を手がける仏デルフィンゲンは17日、独同業シュレマーからルーマニア、ロシアの工場を含む欧州・アフリカ事業を買収する方向で独占交渉に入ったと発表した。ドイツ顧客との地理的距離を縮め、欧州市場における地盤を強化するとともに、研究開発の成果を統合してハイブリッド車(HV)、電動車(EV)向けの駆動用モーターへの対応を強める。合意が成れば、手続きは3カ月ほどで完了する見通し。買収資金は取引銀行から調達する。

シュレマーの事業売却は清算手続きの一環だ。ルーマニア、ロシア、ドイツの工場およびモロッコ、チュニジアの合弁工場が対象で、年商はおよそ1億ユーロ、従業員数は約1,000人に上る。

ルーマニア北西部サトゥ・マーレ県カレイにある工場は2015年の設立で345人を雇用する。2018年は売上高で前年比16%増の1億5,470万ユーロ、純益で36%減の1,220万ユーロを計上した。

ロシア工場は二―ジニー・ノヴゴロドにある。

デルフィンゲンの2019年連結売上高は2億3,000万ユーロ。日本を含め世界20カ国で事業を展開し、26工場を運営する。

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