世界銀行グループの国際金融公社(IFC)は20日、トルコの自動車大手フォード・オトサンに1億5,000万米ドル相当の資金をユーロ建てで融資すると発表した。同国における自動車産業の成長と近代化を支援し、雇用創出を促す狙い。
オトサンはこの資金を投入して生産能力を強化する。同時に近代化・自動化を進めて生産効率を引き上げる。また、電動(EV)・ハイブリッド車(HV)を含む新モデルの市場投入を進める。
IFCのトルコ担当カントリー・マネージャーであるドゥポワザ(Dupoizat)氏は、「トルコ自動車産業が世界のバリューチェーンにおける地位を守り発展させるのに、今回の融資が役立つ」と説明。「トルコの雇用創出と高付加価値製品の輸出をけん引していく自動車産業の力強さを維持していくことが肝要」と付け加えた。
フォード・オトサンはフォードとコチ・ホールディングが折半出資するトルコ最大の自動車製造会社だ。2004年以来、トルコの輸出企業として3位内にランクインし、過去5年はトップを占めてきた。フォード商用車の欧州生産拠点として最大で、その研究開発(R&D)センターは大型商用車及びパワートレイン開発の核を成す。また、小型商用車の開発とディーゼル・パワートレインのエンジニアリングも手がける。オトサン全体で1万1,000人弱を雇用している。