ガスプロム1-3月決算は減収減益、赤字額1,160億ルーブル

ロシア国営で天然ガス世界最大手のガスプロムが14日発表した2020年第1四半期(1-3月期)決算は、最終利益が前年同期の5,360億ルーブルから1,160億ルーブル(16億4,000万ドル)の赤字に転落した。赤字決算となったのは2015年第3四半期(7-9月期)以降で初めて。サディゴフ副社長によると、対ドル・ユーロでの自国通貨ルーブルの30%下落と、原油価格低下による評価損が原因だ。この影響がなければ2,880億ルーブルの利益を確保できたという。

売上高は前年同期比24%減の1兆7,400億ルーブル。暖冬だったことに加え、新型コロナウイルスの影響で、主力市場である欧州の売上高は45%減の4,595億ルーブルに落ち込んだ。旧ソ連圏外の市場への輸出量は17%減の516億立法メートル。1,000立法メートル当たりの平均販売価格は1万800ルーブル(152ドル)で37%下落した。

欧州はガス需要の4割近くをガスプロムから輸入しているが、近年は米国産の液化天然ガス(LNG)を調達する動きが進み、ガスプロムへの競争圧力が強まっている。現地投資銀行BCSグローバルマーケットの分析によると、欧州ガス市場は価格、販売量ともにどん底状態で、「第2、第3四半期の同地域への輸出は過去15年間で最悪となる」可能性がある。(1RUB=1.50JPY)

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