独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)のチェコ子会社であるシュコダ自動車は22日、ヴルフラビーにあるトランスミッション組み立て工場でロボット技術による新ワークステーションの操業を開始したと発表した。これに先立ち同工場ではデジタルツイン(現実世界の事物を仮想空間で再現する技術)を導入して設備と工場全体のシミュレーションを行い、全作業行程の事前演習を実施。新システムの設置および既存生産ラインへの統合までの作業期間をこれまでの方法に比べ3週間短縮することに成功した。
ヴルフラビー工場では2012年9月に生産開始した7速デュアルクラッチトランスミッション(DCT)「DQ200」が累計300万基を突破し、現在は1日あたり2,200基を生産している。新しいワークステーションでは回転部品が最適に機能するための高い精度を確保できるようロボット技術を導入。ギアボックスに4つのベアリング部品を2回装着する作業を30秒未満で行う。
デジタルツインなど最新技術の採用が、事前にワークステーションの設置環境と工程・作業の段取りなどについて詳細なイメージを把握することを可能にした。これにより、想定される問題点に対処しつつ、既存生産ラインの稼働と並行して試験稼働を行うことで生産工程にスムーズに統合できた。
ヴルフラビー工場は長期戦略である「生産のデジタル化」を掲げるVWグループの最新工場のひとつで、シュコダの部品生産で重要な役割を担う。全自動・自動制御型搬送ロボットの導入を開始するなど、先端技術の導入に意欲的だ。