チェコ国営電力、ドゥコバニ原発拡張で政府と合意

チェコ国営電力CEZはこのほど、同国政府とドゥコバニ原子力発電所の拡張事業について大枠で合意した。これを受けてCEZは2022年までにサプライヤーを募集し、24年までに契約を交わす予定だ。

政府とCEZは同原発のソ連時代の旧型炉4基を新型炉に切り替えることを計画しており、これまでに環境影響評価などを進めてきた。政府は7月、発電容量約1,200メガワットの原子炉に対する無利子融資を行うことを決定したほか、新しい原子炉で発電される電力を購入する際の料金体系を承認した。一連の計画の実現に向けては、EUの補助金ルールに抵触していないことを欧州委員会が確認する必要がある。

消息筋によると、新たに建設される原子炉の建設費は60億ユーロ。CEZの少数株主など一部からは、実際の建設費はこれを上回ると批判する声が出ている。同社は年内に入札を開始する予定で、建設開始は2029年、新原子炉の稼働は36年となる見通しだ。

入札には露ロスアトム、中国広核集団、仏エレクトリシテ・ド・フランス(EDF)、韓国水力原子力発電(KHNP)、米ウェスチングハウスのほか、フランスのオラノと日本の三菱重工の合弁会社の参加が見込まれている。チェコの安全保障関係筋はロシアと中国企業を選定の対象から外すよう政府に求めているが、政府は入札を競争的なものとするためにすべての企業が参加できるようにする方針だ。

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