トルコで溶融塩電池(熱電池)の国内生産が順調だ。同国唯一の溶融塩電池開発機関であるトルコ科学技術研究会議・防衛産業開発研究所(SAGE)が国産化に成功し、2006年以来9,100万ドルの輸入削減に貢献してきた。現在ではドイツなどに輸出もされている。
ムスタファ・バランク産業技術相によると、SAGEは2002年以来250種類の電池の設計を手掛け、うち38種類が実用化されている。
高圧の電気の放蓄電が可能な溶融塩電池は防衛産業や航空宇宙産業で一次電源及び二次電源として広く利用されている。安定性が高くメンテナンスも容易で、再充電は不可能ながら耐用年数が20年以上と長いのが特長だ。
開発生産された同電池はトルコ陸軍をはじめ、ASELSAN、ROKETSANといった同国の防衛関連企業に供給され、巡航ミサイルのSOMや精密誘導キットのHGK、空対空ミサイルなどに利用されている。
トルコは2012年に溶融塩電池の輸出を開始した。仕向け先にはドイツ、ウクライナ、ブラジル、サウジアラビアが含まれている。