トルコ統計局(TUIK)が8月31日発表した2020年第2四半期(4-6月期)の国内総生産(GDP)は前年同期比で9.9%縮小し、2009年第2四半期以来で最大の落ち込みを記録した。それでも米ブルームバーグ集計のアナリスト予測(10.7%減)は上回ったほか、ユーロ圏(12.1%減)、欧州連合(11.9%減)と比べても下げ幅は小さい。前期比では11%減と、統計を取り始めた1998年以来で最悪だった。新型コロナの流行を受け、個人消費と輸出が大幅に減少したのが響いた。
個人消費は前年同期比で8.6%縮小した。政府支出は0.1%減とほぼ前年同期並み。設備・建設投資は低利融資が奏功し、6.1%のマイナスにとどまった。
輸出は35.3%の大幅な落ち込みを示した。新型コロナ流行でモノとヒトの移動が制限されたのが主因だ。輸入は6.3%減と予想より小幅の減少だった。やはり低利融資が一定の歯止めをかけた格好だ。民間在庫は4.5%増加した。
生産面でみると、減少幅が特に大きかったのは、サービス業(25%減)、その他のサービス(18%減)、製造業(16.5%減)、専門・事業向けサービス(16.5%減)だった。建設業は2.7%減、行政・教育・医療・福祉サービスは2.4%減となった。
一方で、増加幅が大きかったのは金融・保険(27.8%増)と情報・通信(11%増)だった。農業は4%、不動産は1.7%、それぞれ増加した。