独フォルクスワーゲン(VW)のチェコ子会社であるシュコダ自動車は9月29日、ロボットによる部品自動供給システム「ピック・トゥ・シーケンス(pick to sequence)」をクヴァシニ工場で運用していると発表した。同システムは製造工程において必要な部品をロボットが適切なラインに適宜供給するもので、生産効率とスピードの向上が期待される。
「ピック・トゥ・シーケンス」は今年7月にクヴァシニ工場に導入された。運用現場では、バッテリーを積んだパレットが生産ラインの近くに置かれ、カメラによるスキャン装置を備えたロボットがレール上を往復しながらバッテリーを生産ラインまで運ぶ台車に移し替える仕組みになっている。ロボットは空になったパレットを並べて整理するほか、必要に応じてバッテリーの載った新しいパレットを倉庫から取り寄せるよう要求することができる。
シュコダは「ピック・トゥ・シーケンス」導入のため同工場に45万ユーロを投資してきた。同システムの特許申請も行っている。
同社はまた、工場内の安全性向上に向け、近くにあるフォークリフトの早期識別を可能にする追跡システムを試験的に運用している。工場の従業員が専用のリストバンドを装着することでフォークリフトが自動探知できるようにするもので、従業員が近くにいる場合にはスピードを緩めたり警告を発することが可能だ。
クヴァシニ工場ではこのほか、生産プロセスの変更を従業員に通知することで対応の迅速化を図るシステム「ディー・プロダクション(dProduction)」が昨年9月に導入されている。