ロシア民間ガス最大手のノバテクが、北極圏ギダン半島の「アークティックLNG2」プラントで製造する液化天然ガス(LNG)の8割をアジア市場に供給する計画を明らかにした。北極海航路の通年運航が可能になるという前提に立ち、アジア事業の比重を高めていく。
同プラントでは2023年から3本の液化設備が稼働する予定だ。年産能力は合わせて1,980万トンに上る。ミケルソン社長は、「間もなく就航が見込まれる『アルクティカ』など、22220型原子力砕氷船団が航行するようになれば、年間を通じて北極海航路を利用できるようになる」と話している。
「アークティックLNG2」プロジェクトには、中国海洋石油集団(CNOOC)、中国石油天然気集団(CNPC)、仏トタルおよび、三井物産と石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の合弁会社が10%ずつ出資する。先月には、ドイツ政府の貿易保険業務(ヘルメス貿易保険)を代行する民間信用保険会社ユーラーヘルメスが最大3億ユーロの出資を検討していると報じられた。