巨大不発弾が処理中に爆発~ポーランド

ポーランドのバルト海沿岸最西端にあるシフィノウイシチェで13日、第二次世界大戦中の巨大な不発弾が処理作業中に爆発した。幸運なことに、けが人も建物などの損傷もなく、鳴り物入りながら爆弾の「危険を取り去る」ことに成功した格好だ。

この不発弾は昨年9月、運河の浚渫(しゅんせつ)作業中に底から「鼻先を出している」ところを見つかった。大戦末期に英国軍が使用した全長6メートル、火薬重量2.5トン、総重量5トンの大型爆弾「トールボーイ」で、見つかった場所はウズナム島とヴォリン島を結ぶ定期運行フェリー航路のすぐ近くだった。当局は他の不発弾がないか確認するため運河を探索し、英軍の425キロ爆弾とドイツ軍の爆雷を見つけた。こちらの「小型」のほうは、この夏に処理を無事に終えた。

「トールボーイ」の処理作業は、遠隔作業で外殻に穴を開け、火薬を燃焼させる「デフラグレーション」という方法で行われた。開始前から「ちょっとした振動でも爆発につながる危険な作業」と予告されていたが、これが現実になり、巨大な水柱が上がる様子に皆が息をのんだ。

ただ、危険性を考慮に入れて、作業員は危険域外で遠隔操作、現場から半径2.5キロ以内の住民は退避、船舶も航行が禁止されていたため、人的被害はなく、運よくインフラの損傷もなかった。

「トールボーイ」は、コンクリート製の防空壕や軍用艦など堅牢な標的を破壊するために用いられた。不発弾が見つかった付近では、ドイツ降伏直前の4月16日、重巡洋艦「リュッツォウ」が英国空軍の攻撃を受けて沈没しており、この時の攻撃に使われたもののうち一発が不発のまま眠っていたと推測される。

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