ギリシャからアルバニアを経由してイタリアに至る「アドリア海横断パイプライン(TAP)」が15日開通した。これにより、アゼルバイジャンの天然ガスをトルコ経由で欧州に輸送する「南ガス回廊」が完成した。
TAPの全長は878キロメートル。年輸送能力は100億立方メートルで、将来的に200億立方メートルに拡大できる設計になっている。2016年に着工し、4年半の工期を経て完成した。プロジェクト資金調達額は39億ユーロに上った。
TAPの運営会社には英BP、アゼルバイジャン国営石油ソカール、伊スナムが各20%、ベルギーのフラクシスが19%、西エナガスが16%、スイスのアクスポが5%を出資している。
南ガス回廊は、天然ガス調達における対ロシア依存を弱める欧州連合(EU)の戦略に基づくプロジェクトだ。プロジェクトを構成する、アゼルバイジャン領カスピ海のシャーデニズ2ガス田の開発、南コーカサス・パイプライン、アナトリア横断パイプライン(TANAP)、TAPの整備にかかった総投資額は400億米ドル(338億ユーロ)に上る。