ブルガリアのコスタディン・アンゲロフ保健相が新型コロナの流行抑制に向けて、ロックダウン措置を再導入する方針だ。また、緊急事態を来年3月まで4カ月間延長することも狙う。27日の閣議決定を得て、来月1日の発効を目指す。
ロックダウンが実施されると、食料品店、薬局、郵便局、銀行を除く店舗は営業が禁じられる。映画館、劇場、喫茶店、バーも同様だ。レストランは出前のみ認められる。スポーツイベントや学術会議、競技会、パーティー、集団旅行も開催できない。
保健相は「3週間以内に効果があがり、クリスマス前に措置を緩和できるように願う」と話している。しかし、ブルガリア科学アカデミー・ミクロ生物学研究所のアンドレイ・チョルバノフ免疫学課長は「厳しいロックダウン措置を実施した他の欧州諸国の経験をみても、迅速な効果は期待できない」とし、医療システムの負担軽減度は15~20%以下にとどまるとの見方を示している。
ブルガリアでは21日までの1週間の新規感染者数が2万3,196人、死亡者数も787人と過去最高を記録した。流行の広まりで医療機関の受け入れ能力がひっ迫してきており、保健相はロックダウンで医療崩壊を防ぎたい意向だ。