トルコ経済のQ3成長率6.7%、景気回復が鮮明に

トルコ統計局(TUIK)が11月30日発表した2020年7-9月期(第3四半期)の国内総生産(GDP)は、前年同期比で6.7%拡大した。新型コロナによるロックダウン(都市封鎖)の影響が強かった前期の9.9%減から大きくプラスに転換し、景気回復の勢いがうかがわれる。前期比では15.6%の増加となり、過去最大の伸び幅を記録した。

個人消費が前年同期比で9.2%増加して成長をけん引した。低金利や他の政策で個人への貸し出しが急激に拡大したことが背景にあるもようだ。

民間投資は低調だった前年同期を22.5%も上回り、2011年以来の伸びを示した。住宅ローンの金利も低かったために住宅が売れ、機械・設備への投資が24%拡大した。ただ、巨額の法人債務に通貨リラ安が重なり、新規投資の足かせとなっている。

政府による景気刺激策の継続で、公的支出は2017年第3四半期以来、20年4-6月期(第2四半期)を除いて常にGDPを押し上げてきた。当期もわずかながらプラスに貢献した。

輸出高が22%減る一方で輸入高は約16%増加した結果、純輸出高が大きく減り、GDPを大きく押し下げた。

業界別でみると、専門サービス・事務管理サポート(4.5%減)を除いてすべて増加した。なかでも金融・保険が41.1%、製造業が8%それぞれ増加し、GDPの拡大に1.5ポイントずつ貢献した。

上部へスクロール