モンテネグロのスパジッチ財務相は12月末、新たな国営航空会社を設立したことを明らかにした。資本金は3,000万ユーロ。これに伴い、経営不振に陥っている国営モンテネグロ航空は清算し、新会社を同国のフラッグキャリアとする。
新会社の名称は「ToMontenegro DOO」となる予定。今回の発表に先立ち政府は、モンテネグロ航空の清算と、6カ月から9カ月以内の新会社設立を表明していた。清算手続きには従業員の解雇に伴う経費などを含め5,000万ユーロが必要という。同国の競争当局は、2019年12月に決定された同社に対する公的資金の投入は違法と認定している。
1997年の初飛行以来23年間運航を続けてきた国営モンテネグロ航空については、新型コロナウイルス感染拡大に伴う経営悪化を受け、20年に政府が2度にわたり計3,500万ユーロの資金注入を行っていた。同国が加盟交渉を行っているEUは政府に対し、さらなる政府支援は認めないとの立場を明らかにしており、昨年12月初めに発足した新政権のクリボカリッチ首相は新たな資金支援を実施しない方針を打ち出していた。
モンテネグロ航空は1994年に設立された。保有機材はエンブラエル機が3機とフォッカー機が1機。