ロシアのプーチン大統領とアゼルバイジャンのイルハム・アリエフ大統領、アルメニアのニコル・パシニャン首相が11日にモスクワで会談し、カフカス地域の交通インフラ連動を強化することで合意した。昨年11月10日のナゴルノ・カラバフ紛争停戦協定における取り決めを一歩、具体化した。ただ、紛争当事国アゼルバイジャンとアルメニアの確執は深く、交通網の連結が双方の合意できる最大公約数だったとの見方もある。
今回の合意によると、3カ国は副首相を長とする作業委員会を設置してインフラ整備計画の具体化に取り組む。下部委員会で計画を詰めた後、内容を公表する。
アゼルバイジャンをアルメニア経由でトルコ・欧州、イランと結んでいた鉄道幹線は、ソ連崩壊過程で勃発したカラバフ紛争で運行を停止。1994年の停戦後も、アゼルバイジャン・アルメニア間の国境封鎖、トルコによるアルメニア国境封鎖などで寸断が続き、荒れるに任されてきた。再び開通すれば、アルメニア、アゼルバイジャン、ロシアのいずれにとっても陸上交通の便が格段に改善する。