トルコとアルゼンチンが、人工衛星の合弁開発・製造事業を開始する。アルゼンチン国営通信企業ARSAT向けに大容量通信が可能なハイスループット(HTS)衛星を設計・生産するもので、2024年に納入する計画だ。実現すれば、トルコが人工衛星を輸出する初めての例となる。
開発・製造事業を担うのは、トルコ航空宇宙産業(TAI)とアルゼンチン公営エンジニアリング企業INVAPの折半出資会社GSATCOMスペーステクノロジーズだ。アンカラの中東工科大学(METU)テクノパーク内に本拠を置く。
開発するモデルは、電気推進力のみを用いる全電化衛星だ。通信にはKa帯(27GHz~40GHz)を利用し、伝送速度は50ギガバイト秒を超える見通し。
両国は2018年の主要20カ国・地域(G20)ブエノスアイレス・サミットで提携を結んだ。財政に余裕のない国々を視野に、「特注」通信衛星を供給することを狙っている。