コールセンター支援ツールを開発するスロバキアの新興企業クラウドトークはこのほど、起業後の事業成長のための投資ラウンド(シリーズA)で600万ドルを調達した。この資金で従業員を3倍に増やし、新市場への進出を図る。また、人工知能(AI)に重点を置いたイノベーションラボを新設する。開発力を強化し、「旧態依然の事業用電話市場に革新をもたらす」意気込みだ。
クラウドトークは2018年の創業。クラウドベースのコールセンター向けSaaS(サービスとしてのソフトウエア)ツールを手がけている。一般的な顧客管理システム(CRM)やサポートツールと互換性があり、顧客サービス・販売担当員が必要な情報をまとめて閲覧できるようにしたり、顧客がすぐに担当者と話せるようにしたりすることで、1通話当たり2~3分の時間が節約できるという。
中小企業を主なターゲットとし、ユーザー数10~3,000人に対応する。すでに世界80カ国以上で顧客を獲得し、フードデリバリーのグロヴォ、インドのホテルベンチャーのオヨ、富士通などと取引がある。
今回、クラウドトークに投資したのはベンチャーキャピタル(VC)のヘンQとポイントナイン・キャピタルだ。2019年のシードラウンドではプレスト・ベンチャーズが130万ユーロを投じた。以来、クラウドトークの時価総額は8倍に拡大したという。