世界各地に姿を現して話題になっている謎の「モノリス」が、今度はトルコ南東部に登場し、数日で姿を消した。ユネスコ世界文化遺産にも登録されている「謎の遺跡」ギョベクリ・テぺに近い、シャンルウルファがその現場で、「謎」の隣に「謎」が現れた形だ。
今回のモノリスは高さ3メートル、幅1メートルの金属製で、今月5日、遺跡に近いシャンルウルファの農地に立っているのが見つかった。上部に突厥(とっけつ)文字で「月を見たければ空を仰げ」と彫られ、ミステリー感は十分。不思議な気持ちが、いやでもギョベクリ・テぺを思い出させる。
ギョベクリ・テぺは1990年代に発見された新石器時代の遺跡。推定1万2,000年~1万年前の遺構だが、巨大な円形の石の構造物、高さが最大5メートルに及ぶ数多くの石柱があり、「複雑な社会の構築が農耕革命後に始まる」という従来の人類史の再考を迫る重要な史跡となっている。これまでに発掘されたのが遺跡のごく一部なこともあり、全容は不明で、いったい誰が、何の目的で、どのようにして建設したのか、想像は膨らむばかりだ。新石器時代の遺跡の代表選手、英ストーンヘンジの4倍も古いというのもすごい。
「モノリス」の方は現れた4日後の9日に無くなっていたのが見つかった。誰が立て、誰が持ち去ったのか、こちらも分かっていない。