ロシアのミシュスチン首相は20日、国内で開発された3番目の新型コロナワクチン「コヴィワク(CoviVac)」を承認したと発表した。第1号ワクチン「スプートニクV」と同様、臨床試験の完了を待たない承認で、欧米の研究者を中心に安全性の確認が不十分という懸念の声があがっている。
コヴィワクは、ロシア科学アカデミーのチュマコフ免疫生物薬研究センターが開発した。死滅させたウイルスを分けることなく体内に注入することで免疫反応を得る「全粒子ワクチン」に分類される。チュマコフ研究センターのアイダ・イシュムハメトフ所長は、「(ウイルスの一部のみを用いるスプリットワクチンよりも)幅広い免疫反応を誘発でき、変異株に対する高い効果が見込める」と自信を示している。
コヴィワクは一般の冷蔵庫の温度(2~8度)で保存が可能だ。接種は2回で、14日の間隔をあける。今後、第3相臨床試験が実施されるが、すでに来月の段階で国内予防接種キャンペーンの一環として12万回分が投与される。年末までに2,000万回分の生産が見込まれる。
ミシュスチン首相によると、スプートニクVの累計生産数はこれまでに1,000万回分、第2の国産コロナワクチン「エピワクコロナ」は8万回分に上った。ゴリコヴァ副首相は20日、上半期のワクチン生産数が8,800万回分(うち8,300万回分がスプートニクV)に達する見通しを示した。